12.5. 科学のプロセス : ゲノム科学で癌を治せるか
https://gyazo.com/8d24df53276d2b30a55a8a85fb213bbe
毎年最も多くの米国人の命を奪っている癌
このタンパク質は肺の組織の細胞の表層に発現するし、肺癌の細胞にも見出される
観察
ボストン市のダナ・ファーバー腫瘍研究所の研究者は、一部の患者だけにこの薬剤が効果を発揮することを観察した
疑問
肺癌患者の遺伝的な相違がゲフィチニブの有効性の違いに関係しているのではないか
仮説
EGFR遺伝子の変異によりゲフィチニブの有効性に違いが生じている
予測
EGFR遺伝子に焦点を絞ってDNA鑑定を行えば、ゲフィニチブが効く患者の癌の塩基配列と、効かなかった患者の癌の塩基配列の間に相違が見出されるだろう
実験
ゲフィニチブが効いた5人の患者の癌と効かなかった4人の患者の癌からそれぞれ抽出された細胞中のEGFR遺伝子の塩基配列を決定する 結果
ゲフィチニブに反応する5人の患者の癌から抽出されたEGFR遺伝子はすべて特定の部位が変異していたが、効かない4人の患者のEGFR遺伝子には変異がなかった
以上の研究結果は、DNA鑑定を行うことにより、ゲフィチニブによる治療の有効性が期待できる患者を選び出すことができることを示唆している
もっと広い意味でゲノム解析は病気の治療に際して各々の患者の遺伝的構成に対応して治療法をオーダーメードすることを可能にすることにより医療に革命をもたらす可能性を示唆している